間違っている人が多い!正しい歯みがき粉の使い方
Q.歯みがきのとき、歯磨き粉はどれくらいの量をつけていますか?
上の2つのような「歯みがき粉は少量で十分!」と、歯医者さんに言われた方もいるのではないでしょうか?
実際そのように指導される歯科医師、歯科衛生士の方も未だに結構いるかも。。。
確かに、「歯垢を落とす」という意味では、歯みがき粉の量は少なくても問題ないですし、その方が長時間磨けますよね。
でも、ある効果を期待するなら、
実は、それではあまり効果がないのです(>_<)
せっかく歯みがき粉を使っているのに、それでは勿体無い!!!
正しい量は、
一番下の2cm程度の量です!
■歯みがき粉の量と濃度と、むし歯の関係
先ほどの「ある効果」とは、むし歯予防効果のこと。
現在の考え方では、歯みがき粉はむし歯予防のために使う。
そのためには「フッ素配合」の歯みがき粉であることが必須です。
そして、むし歯予防に効果がある「濃度」で使うこと。
そのためには「量」が大事。
なぜ2cmも必要なのかというと、唾液が出てくるから。
歯みがきしてる間に出てくる唾液によって、だんだんと歯みがき粉の濃度は薄まってしまいます。
歯みがき中に出る唾液の量と、歯みがき粉の量で、むし歯予防ができる濃度を保つためには、1g( 約2cm弱 )の歯みがき粉が必要だということなのです。
ちなみに、
数年前に1450ppmという、フッ素濃度の高い歯みがき粉が発売されました。
( ppmとは濃度の単位で、1000ppmは1g中に1mgのフッ素が配合されていることになります )
今までは1000ppm以下という決まりがあったので、皆さんが普段使っている歯みがき粉は1000ppm以下の濃度です。
しかし、海外では1500ppm以下が主流であり、それが日本でも認められました。
むし歯予防を積極的に行うのであれば、1450ppmの歯みがき粉を選びましょう!
そして、人の体重によっても、体への影響が変わってきます。
100kgの人の1gと、10kgの人の1gって、なんか割合的に全然違いますよね?!
なので、年齢( 体重 )別で、以下の量が推奨されています。
では、次の質問です。
Q.歯みがきで、むし歯も歯周病も予防ができると思いますか?
答えは、
歯周病は予防ができます。
しかし、むし歯は、歯みがきのテクニックよりもフッ素の使用の方が大事!
このグラフは、日本とアメリカのむし歯の本数と、砂糖の消費量と、フッ素入り歯みがき粉のシェアを比べたものです。
上の赤グラフが1970年代で、下の青グラフが2000年なのですが、何が読み取れるでしょうか?
まず、1970年代の日本人のむし歯の本数は5.9本と、とても多いですよね。
でも2000年では半分以下になっています。
その理由は???
このグラフで読み取るなら、1970年代はほとんどフッ素入り歯みがき粉が出回っていなかったのに対し、2000年代では77%までシェアを伸ばしています。
砂糖は、当然ですが、むし歯の原因になります。
しかし、このグラフでは、砂糖の消費量はアメリカの方が多くて、でもむし歯は断然日本人が多いですよね。
そしてアメリカでは、ほとんどの歯みがき粉はフッ素入り。
となると、、、
フッ素とむし歯予防の関連はありそうだ!と考えられますよね。
そこで大事なのが、先ほどお伝えした
フッ素を使う量と時間!なのです。
最後の質問です。
Q.歯みがきにかける時間はどれくらいですか?
今、なんとなく3分くらいかな…と思った人!
自分が感じてる感覚と、実際の時間には結構大きなギャップがあるのです。
なので、一度計ってみることをお勧めします。
歯みがきの時間ですが、
むし歯予防には2分以上必要です!
フッ素を2分以上留めておくことが、むし歯予防には必要なのです。
でも、2分間では完璧に歯垢を落としきることはできません。
歯周病予防には、歯垢をしっかりと落とす歯みがきが必要です。
(歯垢と歯石は違います!歯垢は歯みがきで落とせます)
しかし、2cmも歯みがき粉が付いた状態で長時間の歯みがきは困難です。
ということで、
【むし歯も歯周病も予防する歯みがきの仕方】
①歯磨剤は少量または無しで、しっかりと歯垢除去を行う(歯周病予防)
②その後、2cmの歯みがき粉を2分間口腔内に留めるように磨く(むし歯予防)
ぜひ今日から試してみてください♪