歯周病の治し方

歯周病とは何か?ということを、前回までの記事でお伝えしてきました。

他人事ではなく、まずは自分のこととして考えることが大事!

そんな中、自分は歯周病かもしれない・・・

と思い始めた方もいるかもしれません。

では、歯周病になってしまった場合、どのように治療を行っていくのかをお伝えしていきます!

歯周病は治るのか?

むし歯もそうですが、「治る」といっても、

「完全に元通りになる」というわけではありません。

歯周病の場合、減ってしまった歯ぐきの中の骨は、ほとんどの場合、元には戻りませんので、

これ以上進行しないようにすることが目標になります。

そのためには、自分で行う「セルフケア」と、歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」の両方が必要です。

歯周病の治療は、

患者さんと、歯科医師・歯科衛生士が連携して、一緒に治していくものなのです!

今回は歯科医師・歯科衛生士が行う「プロフェッショナルケア」では、どのようなことを行うのかを説明していきます!

◆プロフェッショナルケアで行うこと

①見えている部分(歯ぐきの上)の歯石、歯垢や着色の除去

上の写真は治療前。

歯石によって歯ぐきが腫れて、歯ぐきの位置も下がっているのがわかると思います。

下の写真は歯周病治療後。

歯石がなくなり、歯ぐきも元に戻ってきています。

歯石がついていると、歯ブラシが歯と歯ぐきの境目に当たらなかったり、歯と歯の間が磨けなかったり・・・

その結果、歯周病の原因であるプラークが溜まったままとなり、細菌がどんどん繁殖していくのです。

なので、まずは歯みがきの邪魔になる、見えている(歯ぐきの上の)歯石を取っていきます!

ちなみに、歯が汚く見える着色自体は、細菌ではないので、保険内で完璧に取ってもらうのは無理かもしれません。(どこまで取るかは、歯科医院によって異なります)

ただ、着色が付いていると、歯の表面がつるつるではない状態なので、プラークも付きやすくなります。
できれば、着色も取って、つるつるの面にしましょう!

②見えない部分(歯ぐきの中)の歯石の除去

歯ぐきの中の歯石を取る治療を「SRP」と呼びます。

特に歯周ポケットが4mmを超えると、歯ぐきの中にはこのような歯石が付いている可能性があります。

なぜなら、歯ブラシを4mmも歯ぐきの中まで入れて磨くのは不可能ですよね?

なので、歯ぐきの中にはこのような歯石が付いてきてしまうのです。

こちらは、実際に歯ぐきの中の歯石が付いたまま、抜歯した歯の写真です。

こんな歯が自分の口の中にあるかもしれない・・・

これが付いている限り、歯周病は治りません。

歯科医院では、歯ぐきの中に専用の器具を入れ、1本1本丁寧に歯石を取って、

歯の根の面に、やすりをかけるようにつるつるに仕上げていきます。(この治療をSRPと呼びます)

痛みがあるときは、麻酔をして行います。

深い歯周ポケットの場合は、歯ぐきをめくって処置をすることもあります。

ちなみに、

中等度や重度歯周炎の場合、治療後に歯が長くなったように感じることがあります。

なぜかというと、それだけ歯ぐきの中では骨が減っていて、治療を行ったことで、実際の骨の位置の近くまで歯ぐきが引き締まったということです。

中等度の段階で治療をせずに、そのまま放置しておくと、下の写真のように「重度歯周炎」になっていってしまう可能性も・・・

ほとんどの患者さんが、中等度までの歯周病であっても自覚症状はありません。

40代以降であれば、ほとんどの方が、軽度~中等度の歯周病になっています。

中には20代、30代ですでに進行している人もいて、皆さん自覚症状はありません。

どこで気付くか。

いつから治療を始めるか。

それによって予後が全く違ってきます。

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