子どもの歯並び~悪くなる原因~

さて、今回は「歯科から見た子育て」ということでお伝えしていきます。

子育て中のお母さんが気になることの一つに「子どもの歯並び」があります。

自分や旦那さんの歯並びが良くなかったり、歯科矯正をしたことがある場合は尚更心配かと思います。

歯並びって遺伝でしょ?

と思われがちなのですが、実は遺伝によるものは全体の25%程度。

下のあごが出ている、いわゆる「受け口」は遺伝的な要素が強いのですが、その他の歯並びの75%は環境によるものなのです。

歯並びが悪くなる原因は?

生活習慣、食習慣、くせ、むし歯など、様々な要因が融合されて、歯並びが決まってきます。

つまり、お母さんやお父さんが子どもの歯並びをつくっている!ということなのです。

そして、最近のお子さんは歯並びの悪い子がとても増えてきているのです。

その理由は・・・?

あごが小さい

現代の子どもは「歯」よりも「あごの骨」に問題があります。

あごの骨とは、「受け口」のような、外見からもはっきりわかる形の異常のことではなく、歯が埋まっている骨のアーチことです。

歯は骨の中に並んで埋まっているので、 骨のアーチのスペースが小さいと、歯がきちんと並びきれずに、歯並びが悪くなってしまうのです。

ですので、「あごが小さい」=「小顔」 ということでいいんじゃない?

などと思わないでくださいね!!

では、どうして現代の子どもたちはあごの骨が小さいのでしょうか・・・?

答えは噛む回数にあります。

大昔、卑弥呼の時代では一回の食事で約4000回噛んでいたそうです。
食事をとるのに小一時間ほどかかっていました。

その後、昭和初期では噛む回数が1420回で、時間も22分にまで少なくなっていきました。

そして現代はというと・・・

噛む回数620回で、時間は11分

同じ日本人で、これだけの差がついてしまったのです。

これを1年、3年、5年単位でみていくと、あごの発達に相当な差がついてしまうのは当然ですよね。

では、噛む回数を増やして、あごの発育を促すために必要なことって何だと思いますか?

噛む=食事

ですので、毎日の食事がとても重要になります。

とは言っても、なかなか食べてくれなくて・・・

と悩むお母さんも多いかと思います。

これは特に現代のお子さんに食欲がないということがよくみられるようです。

昔と今と、子どもの食欲に何が影響して変化してしまったのでしょうか・・・?

食欲=体を動かすこと

つまり、体を動かさない遊びや、小さい頃から塾や体を動かさない習い事をたくさんしていたりすることで、

お腹すいた!ごはんが美味しい!と、毎食感じることがで難しくなってきたようです。

特に朝ごはんが重要だと言われていて、朝から和食をきちんと食べているお子さんは、あごの発達が良いという研究結果もあります。

また、お食事のとき、お子さんの足元を見てみてください。

ダイニングテーブルなど、椅子に座って食事をとっている場合、足はきちんと床や足置きについているでしょうか?

もし足が宙に浮いた状態で、ぶらぶらしていたら要注意!

これだけで噛む力が15%もダウンしてしまうのです。

お子さんの歯並び、気になる前に、親として出来ることはあります。

ただし、気にしすぎはNGです!

こんなに頑張ったのに、歯並びが悪くなってしまった…と落ち込んだり、

歯並びが悪くなったのは、親である自分のせいだ…と責めたり、

そういう気持ちを持つよりも、今は様々な矯正治療がありますので、早めに歯科医院で相談してみましょう!

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