○○が歯周病を悪化させる・・・!

今回は、歯周病を悪化させる原因となる、
「リスクファクター(危険因子)」を理解していきましょう!

もともと歯周病とは、歯周病原菌と、全身や生活習慣の問題から起こる病気です。

歯周病原菌への対策は、歯磨きや、歯科医院で行うプロフェッショナルケアが有効です。

では、「全身や生活習慣の問題」とはどのようなものなのでしょうか?

特に危険なのは・・・

一番わかりやすく、一番歯周病が重症化しやすいのは、

「喫煙」

です。

「喫煙者はタバコを吸わない人に比べて2~6倍、歯周病になりやすい」

というデータがあります。

しかも、今吸っているかいないか、

ではなく、

今までの蓄積本数もポイントとなるのです。

以前勤めていた歯科医院でとっていたデータによると、

喫煙者は、今まで一度も喫煙したことのない人と比べると、7倍もの割合で、「重度歯周炎」になっています。

データをとった患者さん、今は禁煙している方がほとんどなのに、このような結果が出ています。

喫煙はどうして歯周病に影響があるのか・・・

タバコを吸う

ニコチンによって血管が収縮し、歯ぐきに酸素や栄養を供給しにくくなる

血の巡りが悪くなる

歯周病菌と戦う白血球の機能が低下

お口の中の抵抗力が弱る

歯ぐきを修復するために必要な細胞の働きが抑制されてしまう

歯周病菌にとって繁殖しやすい環境を作ってしまう。

そして、

炎症症状が少ないため、歯周病にかかっても自分では気づきにくく知らない間に進行してしまいます。

②無意識にやっている、「アレ」が危険!!

それは、

歯ぎしり、食いしばり。

今、口の中で、上下の歯はくっついていませんか?

寝ている間の歯ぎしり、食いしばりは、

無意識のうちに、普段の食事のときには使わないくらいの強い力を歯に加えてしまいます。

自分自身で強く歯を揺らし、少しずつ歯を抜くような作業をしているようなイメージです。

毎日寝ている間に、歯ぎしりを行っていると、少しずつダメージが蓄積されます。

実は、歯ぎしり、食いしばりをしているのに自覚していない方もたくさんいます。

ぎりぎり音がでるタイプだけではなく、ぎゅっと噛み締めるタイプの歯ぎしりの場合、周りの人にも気付かれないことがあります。

歯ぎしりの原因は、咬み合わせやストレスなどもありますが、クセになっている方も多いため、なかなか治せないものなのです。

注意してほしいのは、眠っているときだけでなく、

パソコンや車の運転やTVなど、集中しているときに無意識に奥歯を噛み締めてしまうことです。

ふと意識したときに、「今、噛んでいた!」という方は要注意です!

(今、お口の中では上下の歯は噛んでいませんか?)

食べ物などを噛むとき以外は、上の歯と下の歯は離れているのが、リラックスした良いお口の中の状態です。

ちなみに舌は、上あごのところにくっついているのが正常。

下の歯にくっついていませんか?

【対策】

●マウスピースをはめて寝る

●咬筋ボトックス注射

●自己暗示
(毎日寝る前に、「唇閉じて、歯は噛まない」と20回、声に出して唱えることで、歯ぎしりしなくなる。というデータが、過去に日本歯周病学会で発表されたこともありました)


③その他のリスクファクター


糖尿病、薬剤の副作用、内科の病気、ホルモンバランス、偏った食生活、ストレスなど

また、

「歯並びや治療済みの歯」

も歯周病に影響があります。

例えばこのような歯並びの場合、どんなに歯磨きをがんばっても、歯ブラシの届かない隙間に菌が溜まったままになってしまいます。

こちらは「ブリッジ」と呼ばれる被せもので、偽物の歯の部分です。


治療したところは、自分の天然の歯よりも、汚れが溜まりやすくなってしまうことも。

また、入れ歯の金具をかける歯のまわりも要注意です。

他の歯よりも力の負担がかかるため、磨き残しがあると歯周病が進行しやすいです。

それから、神経を取った歯も要注意です!

歯の根っこが膿んでいて、それが原因で歯周ポケットが出来てしまうことも。

このような場合は、歯周病の治療だけでなく、歯の根の治療(根管治療)をしないと治らないこともあります。

こちらは健康な70歳の男性のお口の中です。

歯並びが良く、治療した歯も見あたりません。

この歳まで健康なお口を保っていられる方は、もともと「リスクファクター」が少ないようです。

今からでもなくせるリスクはなくし、

治療してしまった歯など元に戻せないところは、

そのリスクを上手にコントロールして、今の自分のベストを目指していきましょう♪

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